https://twitter.com/kounodori_tbs/status/657527305347010560
私が小学生のとき、色白で気品のあるあだちくんという男の子が同級生にいた。あだちくんは、勉強もできて、ピアノもできた。小学校では筆算や掛け算に苦労し、音楽なんて音符も読めずに特に苦労した私からすると、あだちくんは雲の上のような存在だった。ピアノを伸びた背筋で上手に優しく弾く姿は、女の子でなくても憧れてしまう光景だった。
あだちくんしかり、ピアノを習っている同級生はみな勉強ができた。ピアノを練習すると、頭も良くなるのかと、おじさんになった今、娘のピアノを練習する姿をみてふと思った。
結論からは、ピアノを練習するだけでは、認知機能は向上しないし学業成績が良くなったりもしない1。手先が器用になったり、利き手がより早く決まったりする効果はあるようだ2。うーむ。予想が外れた。ピアノを習うことで勉強ができていたのではなく、ピアノを習う子は他の勉強の習い事もしていたから、勉強もできたのだろうと、おじさんは20年以上を経てあのとき教室で感じた羨望の的を科学的に理解したのであった。
ちなみにおじさんはピアノも弾けないし、他の楽器もロクに奏でられない。音楽ができたら人生がもっと豊かだろうなあと、娘や息子には、音楽のひとつやふたつ身につけてほしいと思う今日このごろである。それにしても今日は、11月初旬の夜にしては寒い。
参考文献
- Sala G, Gobet F. Cognitive and academic benefits of music training with children: A multilevel meta-analysis. Mem Cognit. 2020;48(8):1429. doi:10.3758/S13421-020-01060-2
- Tseng YT, Chen FC, Tsai CL, Konczak J. Upper limb proprioception and fine motor function in young pianists. Hum Mov Sci. 2021;75. doi:10.1016/J.HUMOV.2020.102748