とある小児科医が伝えたい脳と心の育て方

みなさまのお子さまの潜在能力が、存分に引き出されますように!

フリン効果 〜不倫じゃないよ、Flynnだよ〜

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世間では不倫のニュースが騒々しく飛び交っております。自分の家庭の人間を幸せにできないで、どうして他の人を幸せにできるでしょうか。朱子学では格物致知という言葉があります。世の中が平和になるためには、各家庭が平和であること、各個人が人間として成熟を目指すこと。小生が最も好きな言葉の一つです。最高の人生を生きるためには、まず家族を大切にすることから始まるような気がします。

不倫についてはこれくらいにしておいて、本題であるフリン効果 Flynn effect について考えたいと思います。

 

James R. Flynn教授はニュージーランドのオタゴ大学で政治学を教え、研究しておりました。彼は論文でこのように主張しました。

「1932年から1978年にかけて人間の知能指数年を追うごとに高くなっている」

2-48歳の方々を、全部で7500人を解析した研究によると、研究対象となった46年間に13.8ポイントもIQが高くなったそうです1。その要因のひとつとして、幼い子どもの育て方と一般的な育児環境の改善によるものが大きく影響したと考えられています。

 

ノーベル賞を受賞したアメリカの労働経済学者・ヘックマン教授の研究により、大人になってからの経済状態や生活の質を高める上で、就学前教育が有効であることが示されました2。それによると、就学前教育の充実を図るために行われた投資の収益率は15~17%という、とてつもない値でした。社会政策のなかでこれほどリターンの良い投資はおそらく他にないでしょう。ヘックマン教授は、「子どもたちへの教育投資は、公平性と効率性を同時に促進する稀有な公共政策である」と述べています。

 

幼児教育・保育を無償化する法改正が2019年5月に可決、成立しました。より多くの子どもが、より良い命を生きるために必要な世の中をつくっていかねばと、鼻息荒くハイレモンを頬張りました。

 

  1. Flynn, J. R. The mean IQ of Americans: Massive gains 1932 to 1978. Psychol. Bull.95, 29–51 (1984).
  2. Heckman, J. J. Skill formation and the economics of investing in disadvantaged children. Science312, 1900–2 (2006).

さいごに

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初出掲載: 2020年 2月 15日