「携帯で動画を子どもに見せないで!怒」
昨日の夜、私が妻にキツーく言われた言葉です。3歳の娘とお風呂に入っているときに、「おさるのジョージがみたい!」と娘が言いました。アマゾンプライムでは、無料でたくさんの動画が提供されており、ついつい便利でよくみてしまいます。「よーし、少しだけだよ」と言って、洗面所においていた私のiPhoneを取りにいき、お風呂で動画を娘と一緒に見始めるやいなや、妻がのっしのっしお風呂に入ってきて、上記の言葉をゴツンとぶつけられました。「一緒にいるときくらいは、動画ではなくてお話するか遊んであげて!」しぶしぶ私と娘は動画を見るのをやめて、携帯を置き、お話しをしたり水鉄砲で遊びました。
小児科医、子どもの発達の研究者としての面目は丸つぶれでしたが、ここで転んだままだともったいないので、起き上がるときにせっかくなので、子どもに携帯で動画をみせることの発達への影響について調べました。
トロント小児病院のDr. Vanが2019年に報告した内容によりますと、1歳半のこども893人を解析したところ、携帯デバイスを日常的に使用した子どもに発語発達の遅れ、コミュニケーションの遅れがみられたそうです1。その理由は2つあり、1つは動画を見たり聞くことは受動的であるため、自ら考えて言葉を発する能動的機会を失ってしまうため、もう1つは家族との関わりが減少するためだそうです。ちなみに、動画を見る時間の平均は15分ほどだったようです。思ったよりも短い時間で影響があることがわかります。
英語ではありますが、Dr. Vanがこの論文を解説した動画がYouTubeにアップされておりましたので、興味のある方はどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=6KLC23IjvMo
なるほど妻の主張が科学的に正しいことが証明されました。小児科医としても、親としても、母親には敵わないなあと感じたエピソードがまた一つ増えました。
- Van Den Heuvel, M. et al.Mobile Media Device Use is Associated with Expressive Language Delay in 18-Month-Old Children. J. Dev. Behav. Pediatr.40, 99–104 (2019).
さいごに
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