とある小児科医が伝えたい脳と心の育て方

みなさまのお子さまの潜在能力が、存分に引き出されますように!

ビスフェノールAは脳の発達に悪い、ではマイクロプラスチックは?

乳瓶で授乳される乳児は、1日あたり100万個以上のマイクロプラスチック粒子を摂取している可能性があることがわかりました1。マイクロプラスチックとは、プラスティック片が破砕されてできる微小な粒子のことです。プラスティックは熱に弱く、哺乳瓶の煮沸消毒や暖かいミルクを入れた際にマイクロプラスチックとして溶出するようです。マイクロプラスチックの乳児への暴露を防ぐには、煮沸消毒したあとに冷水ですすぐ、調乳の際には他の容器で作ってから哺乳瓶に移す、などが有効だそう。

 

f:id:Tanaka_Hajime:20201031140515j:plain

生後1年の乳児のマイクロプラスチック粒子の推定摂取量を示した図(2020年10月19日作成)。(c)JOHN SAEKI, LAURENCE CHU / AFP

イクロプラスチックは、食料や飲み物を保存するために便利な、ポリプロピンなどのいわゆる普通のプラスティック製品から生まれます。マイクロプラスチックによる健康への影響はまだまだ未解明であり、今後の研究が待たれます。

 

スフェノールA型エポキシ樹脂は、マイクロプラスチックと同じく、世界中で環境汚染が最も危惧される物質の一つです。このビスフェノールA型エポキシ樹脂は、コーヒー缶やトマト缶などの主に缶製品の内側に塗装されることで工業利用されています。ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、岡山大学の研究グループから脳神経発達および行動に異常を来すことをマウスで証明する報告がありました2。したがって、マイクロプラスチックについても同じく子どもの健康、特に脳神経発達に関する報告が今後あるはずです。WHOは、飲料水に含まれるマイクロプラスチックは現時点で人体に危険性はないと発表していますが、近い将来にその健康への悪い影響が明らかになるとその方針も変わらざるを得ないでしょう。

 

なみに、ペットボトルはポリプロピレンではなくポリエチレンからできています。どちらもいわゆるプラスティック製品の主な材料です。今回の研究発表ではポリプロピレンに焦点が当てられていますが、それは合成樹脂の世界生産量が1位だから。ポリエチレンは2位であり、マイクロプラスチックの原料であることは変わりなく、健康への影響も同じように懸念されます。ポリプロピレンを分解すると、ポリ(高分子の)プロピレン(C3H6)となり、つまりはプロピレンっていう構造がいっぱい繋がったものということです。

 

  1. Li D, Shi Y, Yang L, et al. Microplastic release from the degradation of polypropylene feeding bottles during infant formula preparation. Nat Food. October 2020:1-9. doi:10.1038/s43016-020-00171-y
  2. Miyazaki I, Kikuoka R, Isooka N, et al. Effects of maternal bisphenol A diglycidyl ether exposure during gestation and lactation on behavior and brain development of the offspring. Food Chem Toxicol. 2020;138. doi:10.1016/j.fct.2020.111235

さいごに

記事の内容がお役に立ったと感じていただければ、ブックマークをお願いします。それを参考に、今後のテーマを決めて行きたいと思います。

また、疑問点やさらに深めてほしい点などございましたらコメントをぜひいただけると幸いです。

個人情報の収集について

利用者は匿名のままで、当サイトを自由に閲覧することが可能です。

利用者の個人情報を利用者の許可なく、当サイトから第三者へ開示・共有することはありませんのでご安心ください

当サイトに掲載している広告について

当サイトでは、第三者配信の広告サービスを利用しています。

このような広告配信事業者は、ユーザーの興味に応じた商品やサービスの広告を表示するため、当サイトや他サイトへのアクセスに関する情報 『Cookie』(氏名、住所、メール アドレス、電話番号は含まれません) を使用することがあります。

Cookie(クッキー)を無効にする設定は、お使いのブラウザによって違います。

お使いのブラウザをご確認の上、設定してください。

アクセス解析について

当ブログはGoogleによるアクセス解析ツール「Googleアナリティクス」を利用しています。

Googleアナリティクスは、トラフィックデータの収集のためにCookieを使用しています。

このデータは匿名で収集されています。

個人を特定するものではありません。

Cookieを無効にすることで収集を拒否することができます。

お使いのブラウザの設定をご確認ください。

免責事項

利用者は、当サイトを閲覧し、その内容を参照したことによって何かしらの損害を被った場合でも、当サイト管理者は責任を負いません。

当サイトからリンクやバナーなどによって他のサイトに移動された場合、移動先サイトで提供される情報、サービスなどについて一切の責任を負いません。

当サイト以外のウェブサイトの内容および、個人情報の保護に関しても、当サイト管理者は責任を負いません。

お問い合わせ

お問い合わせは、下記フォームに、お名前、メールアドレス、件名、お問い合わせ内容を記載の上で送信ください。

初出掲載: 2020年 2月 15日