診療の合間に、病院を抜け出てうどん屋さんに入った。
釜玉うどんを頼んだ。
350円。安くておいしい。天かすと、ネギを少し。
早く帰らないと、病棟から電話がかかってくるかも。
そう思いながら、卵のからんだ熱い麺を頬張っていた。
座敷の席には、母娘とその孫2人がいた。
その隣の座敷には老夫婦がいた。
げんきに食べながら、おしゃべりする子どもを見て、婦人が言った。
「子どものげんきな声が聞こえて、良いことだわねえ。
ぜひ、げんきで大きな子に育ててくださいねえ。」
うどんが熱かったのか、舌が少ししびれる。
冷たい水を飲んで、気持ちの良い春風の吹く外にでて病院にもどった。